「和紙のふるさと」でオリジナルの障子紙を作ってきました!

豊田市小原地区には、小原和紙という伝統的な和紙が存在します。
独特な風合いを持つ小原和紙は、美術品の素材としても芸術家達から愛されています。
そんな小原和紙の制作行程を体験しながら、オリジナルの和紙を作れる場所。それが「豊田市和紙のふるさと」です。

「お施主さんに、オリジナルの障子紙を作ってあげたい!」。
そんな想いを胸に秘め、「和紙のふるさと」にLIV設計工房の川口亜稀子さんがご友人と訪れました。
MA設計室の眞木さんもオリジナルの和紙が漉いてもらえるなら見てみたいと同行して下さいました。

和紙のふるさと入り口

すっきりと澄んだ冬の空気に、太陽が気持ちいい朝でした。
名古屋市内からグリーンロードを抜けて、車で約一時間。
愛知県豊田市永太郎町に、「和紙のふるさと」はあります。
ミツマタ 敷地内では、和紙の原料となる「楮(コウゾ)」や「ミツマタ」のつぼみが春を待ちわびてふわふわとお出迎え。
11月になれば紅葉と四季桜が同時に楽しめるそうです。

さっそく和紙を制作する工房「和紙工芸館」へと入ります。
この日はちょうど、地元中学校の卒業証書を手作りされている最中でした。

紙の原料となるコウゾ


「これが紙の原料となるコウゾです」「紙を漉くために、このトロロアオイで粘りを持たせます」。
所員の方の説明を受けながら、川口さんはじめ、皆さん興味深そうに道具や材料をカメラに収めています。



機材道具材料

「スコテ(木枠に金網を張ったもの)」に材料を流し込み、慣れた手つきで前後左右、紙料を漉いていきます。

その手順を何度か繰り返した後、今度は雲竜(手でちぎった、長めのコウゾ繊維)で味付けをします。

「もう少しグラデーションを効かせたいです」「ここら辺に長い雲竜を置きたいな」・・・。
川口さんが、イメージを伝えます。

細かな要望を伝えられるのも、制作に立ち会っているからこそ。
「だったら、こんな素材を使ってみるのは?」「こういうやり方もありますよ」。 所員さんも、懸命に応えて下さいます。雲竜の散り具合をピンセットで調節したり、シャワーで紙に表情を出したりと、芸が細かいです。

「お施主さんからは『昇っていく感じ』というイメージを聞いていました。海から空へ竜が駈けていく感じを出せれば」、と川口さん。こうしたやりとりを重ねながら、徐々に完成度を高めていきます。

出来上がった障子紙には、川口さんも納得の表情を見せておられました。

そもそも今回は、どういう経緯で紙を作ろうと思われたのですか?と尋ねてみました。

「お施主さんは高齢の方で、もともと住んでおられた住居を移転する形の引っ越しでした。
そして古家に元々あったガラスやサッシがとても美しかったんです。
だったら、と思いそれらを活かした設計にしたんですね。そんな中、『昔ながらの和紙が使いたいけど難しいだろうなぁ』とおっしゃったのを聞いたんです。ちょうどその頃、友人から『和紙のふるさと』に誘われて、ここならオリジナルで和紙を作ってもらえるらしいよって。その上、漉くところを見せてもらえると聞いて今回のことを決めました。」。
そして、川口さんにはもう一つの思惑があったようです。
「お施主さんは最初、住居の移転で少しネガティブになっておられました。だから設計を通じて少しでも元気になっていただければなと思って・・・。最近は新しい生活を楽しんでおいでのようで、何よりです。小さな事でもよく電話がかかってくるんですよ(笑)」。 と嬉しそうな川口さん。
このお人柄のような、手漉き和紙の温もりが優しいですね。



建築家が自ら出向いて、一枚の障子紙をわざわざ作るのは効率的ではないかもしれません。
でもそんなところが、「らいふくれよん」らしさなのかもしれません。そんな風に感じた「和紙のふるさと」取材でした。



さて、手漉き和紙の風合いはステキだけれど、そんなのとても高くて無理と思いこんでいる方がいらっしゃるかも。ところが、このオリジナルの和紙は、1枚4,000円にて制作していただけました。暮らしを彩る本物の素材。高いと思われますか?